【施工前】当初から2世帯でも十分通じる広さをもった住宅でした。
玄関までのアプローチ階段の下は、実は車椅子での機械式昇降機を考慮した広さが確保されていました。
2階リビングの様子。あまり使っていなかったようでした。
【施工中】まず、玄関上に部屋を増築する工事から始めました。
この手の増築で難しいのは構造的な部分の確認と屋根部分の接続などですね。
玄関アプローチまでを壁で仕上げ、その下地には断熱材をプラスした外+充填断熱仕様壁として仕上げていきます。
外壁サイディングも新しくする為に既存のサイディングは全て撤去しています。
玄関ポーチ上に総2階として増築されました 既存屋根板金と増築部分との接続には気をつかいます。
既存屋根板金と増築部分との接続には気をつかいます。
既存サイディング撤去後、下地胴縁の上からもう1枚通気シートを貼っています。
新しいサイディング材。ニチハの窯業系材料を使いました。
この透湿シートの下に通気層があります。今回は念入りにシートを2重に貼っています
サイディング外壁で注意するのは窓周りや換気フードなどの雨仕舞です。
2階夫婦寝室に予定されている洋室。外壁にはピンク色の断熱材が施されています。
1階台所から浴室に向かって行く部分の内部工事状況です。
1階台所から奥には脱衣室へと繋がり、そのまま寝室へも通じています。
1階暖房には石油ストーブを使ったペチカがあります。
1階リビングには大きな面積を持つ断熱樹脂サッシを使用
【施工後】写真では分かりませんが、お子さんの落下防止策として「ドレーキップ窓」を使用。
施主様希望による変則的な棚です。この下の空間にベッドが入ってきます。
上下階を同じサイディングを使うことによって建物の一体感を出しています。
仕上げは完全オリジナルの2階建てウッドデッキの製作です。
2階からの雨や雪などによる水落ちをポリ板による中間屋根を設置し防いでいます。
【リフォーム概要】
2世帯&バリアフリー全面改修工事
【住所】
北海道江別市大麻
【工期】
60日程度
【工事費用】
約1500万円
【リフォーム内容】
まず、あまり利用されていなかった2階を子世帯とし、その分の部屋数の確保。そして1階部分を親世帯とし、車椅子での生活が可能なようにバリアフリー化
希望設計レポート
親との同居を希望し、親の家を2世帯化するのと、親御さんの足が多少不自由でもあったので、将来的な生活スタイルを考慮し、車椅子での生活も可能なようにと1階部分をセミバリアフリー化しました。
もともと大きな住宅ではあったので2世帯化自体には然程問題では無かったのですが、バリアフリーに対してはいろいろと考えさせられる場面が多くありました。
最初の設計段階ではその担当をされているケアマネージャーにまで話を聞きに行ったのですが、結局相手は建築の事がよく分からないので基本的には”お任せ”のスタイルでして、責任問題となるのが嫌なのか、これといった話も聞けませんでした。
ですからこの経験が後々「福祉住環境」の勉強をするきっかけともなったわけです。
またユニットバスなど水回りは特に、いかにメーカー仕様が健常者の視線からでしか商品が作られていないかを痛感させられました。
せっかくTOTOのショールームへ一緒に行ったのにダメ出しの連発でしたから・・・・。
玄関までのアプローチや各出入口の建具仕様、その他細かい段差や手摺など一つ一つ全てがその人に合わせたオーダー仕様であり、設計に携わる立場としてはとても貴重な体験を得た現場となりました。