【施工前】リビング中央にクローゼット、その真裏には0.75坪のユニットバスがありました。
浴室前は回遊式の廊下となっており、脱衣場も兼用されていました。
回り階段は踊り場も無く、とても「スカラモービル」の使用は不可能でした。
車庫カーポートから直接2階へ上げれる玄関を設置します。
【施工中】まずは正面にあった灯油タンクの移設です。
内部和室部分が玄関へと変わるので内壁部分をまず撤去します。
2階床下の様子。左側に見えるのがユニットバスの底です。
排水はキッチン、トイレ、洗面台等から発生し、1階へ配管されています。
既存ユニットバスを撤去。 後々階段となる吹抜けとなりました。
玄関間口となる部分の基礎を撤去。 これで、外部からの段差を丸ごと解消します。
キッチンを撤去。ココにユニットバスが設置されます。
玄関部の解体も大工さんによって進められていきます。
2階吹抜から見た玄関。土間には打設前の鉄筋が組まれています
2階もかなり解体され、以前あった洗面室の雰囲気は全く無くなりました。
階段が造作されました。幅1000㎜の特殊仕様です。
ココは車椅子でも使用可能な洗面台が設置されるホールとなります。
ユニットバスから直線で脱衣室、 廊下へと続きます。
キッチンからは吹抜け階段を通して、トイレやホールでの様子が伺えます。
吹抜け階段部分も壁面へ開口する事によって解放感は充分です。
【施工後】寝室からトイレに行く先にはアウトセット引戸を設置。後日バーハンドルを取付しています。
1.25坪のユニットバスは充分のスペースを確保しています。
リビングからホール、階段、台所へのアプローチ部分です。
スカラモービルの使用を想定し、鼻先の滑り止めと床シートが一体となった素材を使用
階段と玄関内部の雰囲気は良い感じに仕上がっております。
【スカラモービルとは?】今回は御主人が車椅子で2階へ行く為に選んだ昇降機が「スカラモービル」です。 屋外・屋内共に利用可能ではありますが、室内で利用する場合には少し練習が必要なようです。 実際、この機械を利用する為には認定資格を得る必要が有ります。 エレベーターや階段椅子式昇降機等と並んで検討してみるのもありかと思います。
【リフォーム概要】
2階へ上がる階段を少しでも楽にしたい、また水廻りを少しでも便利にしたいという御施主様の願いを受け入れ出来る限りの創意工夫で臨んだバリアフリー工事です。
【住所】
北海道北広島市
【工期】
約60日
N様との出会い
御主人は元御寿司屋さんの職人さんらしく、とても気さくな御方でした。
奥様を献身的に介護されており、少しでもリフォームする事によって生活改善出来ればということで相談を受けたのがきっかけとなりました。
まずは2階への上り下りを改善する為の「階段」、そして浴室等の水廻りを改善する為に工事前にいろいろなお話をさせて頂きました。
リフォームについてのお悩み
階段を昇降する為にどの様な手段が一番良いのか?
エレベーターや椅子式昇降機等を検討し、結果的に「スカラモービル」を使用する方向で話を進めました。
また車椅子で利用する為の脱衣場やトイレ、そして浴室など各居室の広さや動線等御主人の経験に基づいた理想が実際どこまで実現できるのか?
何度も打ち合わせをし、ケア施設の方ともお話をさせて頂き間取りや造作について出来得る範囲で工事を行う様に進めて参りました。
希望設計からのご提案
アプローチとしての玄関廻りは限界ギリギリの広さに加え、地盤面から直接2階へ上がれる動線、そして階段幅を有効開口として1.000㎜確保し、建物中央へ階段位置を配しました。
また浴室を余裕の1.25坪仕様とし、寝室からトイレ、洗面台、浴室までの動線が車椅子でも対応出来るように工夫されています。
特に特徴的なのは階段を中心とした回遊式としているホールです。
御主人からの提案もあり、結果的には出来得る限りの工事は成されたとは思いますが、細かい部分でもっと工夫出来た箇所も幾つかあり、あらためてバリアフリー工事の難しさを痛感させられた現場でも有りました。
今後とも更なる勉強に励んで参ります。